普通の食器はNG!?高齢者にとって使いやすい食器の特徴
高齢者の場合、普通の食器では使いにくいと感じる場合があります。腕の可動域が狭くなった・持病による後遺症など、さまざまな原因が考えられます。満足な食事ができないことにより、食事の時間が楽しくない・苦痛に感じるため、使いやすい食器に変えることが大切です。この記事では、高齢者が使いやすいと感じる食器をご紹介します。
高齢者は普通の食器では食べにくい?その理由とは
介護を必要とする高齢者は、普通の食器では食事をとりにくいことがあります。
考えられる主な理由は食器の判断が難しい・後遺症などによる麻痺・おかずなどをとりにくい、以上3つです。それぞれを詳しく見ていきましょう。
食器の判断が難しい
認知症のある高齢者の場合、食器と食事の判断が難しい場合があります。たとえば、白いお茶碗に白ごはんをいれた際、認知症の方は区別ができずにご飯を食べられないこともあるのです。
誰が見ても食器と食事の判断ができるような色の食器、はっきりとした柄のある食器を使って、区別できるようにしましょう。
後遺症などによる麻痺
疾患による後遺症で麻痺が残ると、お箸やスプーン、食器を持ちにくくなる場合があります。
麻痺の度合いは個人によってさまざまですが、状態によっては自助具を用意すると持ちやすくなるケースも見られます。自助具は難しい動作をサポートするものであり、食器やお箸などの種類があります。
高齢者の麻痺状態に合わせた自助具選びが大切です。
おかずなどをとりにくい
腕をスムーズに動かせないことから、おかずをこぼす場合があります。自分で食べることはリハビリにもなります。しかし何度も食事を落としてしまうと、摂取量が少なくなり充分な栄養を補えない可能性もあります。
介助者も掃除をすることが大変なので、食事の際は食事エプロンまたは介護エプロンを使用し、落下を防ぎましょう。
食事をスムーズにおいしく食べるには?どんな食器を使うべきか
普通の食器では、上手に食事をすることが難しいことがわかりました。しかし高齢者にとって使いやすい食器とは、どのような食器を指すのでしょうか。
ここでは、高齢者が安心して食事を楽しめるおすすめの食器を種類ごとに解説します。
お皿は深さのあるもの
お皿は深さのあるタイプを選ぶと、自分でおかずをとりやすく、こぼす心配がありません。また、小さい食器よりも広さのある食器の方がおかずをすくいやすいので、広くて深さのある食器を手に取ってみましょう。
食器によっては、プラスチック製のものがあります。プラスチック製は落としても割れにくいメリットがありますが、滑りやすいデメリットもあります。滑りが気になるときは、滑り止めマットを敷いて、お皿が動かないように防ぎましょう。
スプーンは丸おびたもの
高齢者がひとりでも食事をすくえるように、スプーンは丸おびたものを選びましょう。また、グリップ部分に滑り止めがついたり持ちやすくなったりしているスプーンもおすすめです。
お箸はクリップ・バネのあるもの
クリップやバネのあるお箸はおかずなどを掴みやすいので、普通のお箸が使いにくいと感じたときは自助具のお箸を使用しましょう。
取手の長いコップだと持ちやすい
普通のコップでは飲みにくいと感じるときは、取手の長いコップがおすすめです。さらに高齢者がしんどいと感じない重さのコップであれば、負担なく使えるでしょう。
飲みにくい・むせることが多い場合は、ストロー付きのコップがおすすめです。ふた付きのタイプもあり、万が一コップを倒してしまってもこぼれる心配がありません。
介護食器や自助食器はどこで購入できるのか
介護食器や自助食器は、さまざまなお店で購入可能です。どのような場所で購入できるのか、ご紹介します。
100円ショップ
100均で取り扱う介護食器・自助食器は増えています。介護向けがない場合はベビー食器などで代用することも可能です。
ただし、100均はプラスチック製の商品が多いので、お皿の場合、滑ることもあります。滑り止めマットや滑り止めシールを食器に貼って対応してください。
介護用品専門店
介護用品専門店だと、介護に特化した食器が取り揃えられています。持ちやすさ・すくいやすさはもちろんのこと、食器と食事を区別できる鮮やかなデザインの食器も多く取り扱っています。
通販・実店舗どちらでも購入可能です。通販であれば、自宅にいながら購入できるため、介護で時間を作りにくい方におすすめです。
インテリア用品店
大型ホームファニシングストアは、品質のよい食器・カトラリーが安価で販売されています。食器の形も豊富で、すくいやすい傾斜のある食器や軽いコップなど、さまざまなものがあります。
インテリア用品店も通販での購入が可能なところが多く、自宅近くにお店がない場合は通販を利用するのもおすすめです。
ネットショップ
手軽に利用できるネットショップは、自分のライフスタイルに合わせてショッピングを楽しめます。介護食器や自助具を専門とするネットショップも多く、実際に購入された方の口コミ・評価を確認しながら買い物できます。
ネットショップは直接商品を触れないため、重さや使い勝手を確かめることは困難です。しかし、実店舗よりもデザインの種類が多いので、高齢者が好むデザインの食器を見つけられる場合があります。
まとめ
介護を必要とする高齢者は、自分で食事を食べることが難しくなる場合があります。とはいえ、自分で食事をとることはリハビリにもつながるため、自分で食べてもらいたい、と思う介助者は多くいるでしょう。
そんなときにおすすめするのが介護食器・自助具です。難しい動作をサポートして、食事を楽しめるように工夫されているので、高齢者も食事の時間を楽しめるでしょう。