治療食にデザートは含まれる?治療食の基本とデザート活用のポイント

公開日:2025/01/15  

治療食 デザート

主に病院などで提供される治療食には、デザートは含まれないと考える人も多いでしょう。しかし、デザートは治療食の一部として重要な役割をもちます。今回は、治療食の概要や種類、治療食におけるデザートの役割などを詳しく解説します。治療食でデザートを提供する際の注意点も紹介するため、ぜひ参考にしてください。

治療食とは?治療食の種類も解説

治療食は病気を患う人の症状改善などを目的とした食事です。ここでは、治療食の定義・概要とその種類について解説します。

そもそも治療食とは

治療食とは、病気を患う人の症状の悪化や病気の進行を防ぐことを目的として作られる食事です。治療食の対象となる病気は限定されておらず、それぞれの疾患に対して取り入れるべき・避けるべき食材や栄養素などは大きく異なります。基本的にはどの疾患であっても三大栄養素である炭水化物、脂質、タンパク質をバランスよく取り入れることをベースにしているという点では共通しているため、健康維持の観点からもおすすめの食事です。

治療食の種類

治療食には、一般治療食と特別治療食の2種類があります。一般治療食とは、特定の栄養素や食材に対する制限がない疾患をもつ患者さんが食べる食事です。一般治療食は、食事により疾患や症状そのものに何らかの影響を与えるものではありません。

バランスよい食事で栄養状態を良好にすることにより、身体がもつ治癒力をアップさせることを目的としています。具体的な例として挙げられるのは、常食や流動食、嚥下訓練食などです。

対して特別治療食とは、疾患に合わせて特定の栄養素やエネルギーの摂取を制限した食事です。特別治療食は食事を通して疾患そのものの進行を遅らせたり、症状を緩和させたりすることを目的としています。

具体的な例として挙げられるのは、エネルギーコントロール食や塩分コントロール食、たんぱく質コントロール食、脂質コントロール食などです。

疾患別の特別治療食の例

たとえば糖尿病患者は、炭水化物・糖分を抑えた食事が求められます。また、高血圧の人は塩分を控えめにしたり、脂肪分を抑えたりすることが重要です。さらに、腎臓病の場合は、症状によって異なりますが、たんぱく質制限を必要とする場合もあります。

特別治療食は一般治療食のような三大栄養素をバランスよく取れる食事をベースとして、疾患に合った食材選びや調理法を採用しているのです。

デザートも治療食の中のひとつ!

食事の楽しみのひとつでもあるデザートですが、治療食の献立としてデザートを含むケースも少なくありません。ここでは、治療食におけるデザートの役割などについて解説します。

デザートも治療食の一部

デザートは基本的には甘い1品であることから治療食には向いていないように思われがちですが、実際には治療食の一部として活用されています。たとえば果物を使用したデザートであれば、ほかの食材よりもビタミン・ミネラルを多く含んでいることから、不足しがちな栄養素をカバーする役割を果たせるでしょう。使用する食材やレシピ、合わせる献立を工夫することで、デザートも治療食の大切な一部となるのです。

治療食におけるデザートの役割

治療食におけるデザートの役割にはビタミン・ミネラルなどの栄養素補給のほか、カロリー摂取を助けること、食事の楽しみを感じてもらうことなどがあげられます。患者さんの中には、食欲が落ちて食事量が限られてしまう人もいるでしょう。しかし、プリンなどのデザートを治療食に取り入れれば、少量でも効率的にカロリーを摂取することが可能です。

また、特別治療食で食事に何らかの制限がある患者さんは、食事内容にストレスを感じることも少なくありません。治療食のデザートには食事の楽しみを感じてもらったり、気分転換してもらったりするという目的・役割もあります。

デザートを活用する際の3つのポイント

治療食でデザートを活用する際のポイントについて詳しく解説します。

低糖・低脂肪を心がける

デザートは糖分・脂肪分が多くなりやすいため、とくに糖尿病・高血圧などの患者さんに提供する場合は注意が必要です。砂糖や生クリームを避けて果物を取り入れたり、低糖質スイーツや人工甘味料などを上手く活用したりして、糖分・脂肪分過多に陥らないよう心がけましょう。

アレルギー対応のデザートを用意する

治療食にデザートを取り入れる際は、アレルギー対応にも注意が必要です。最近ではアレルギー体質の人が増えており、治療食はもちろん飲食店などでもアレルギー対応メニューが数多く展開されるようになっています。デザートに限ったことではありませんが、治療食においてもアレルギー食材を使用していないデザートを選択制で準備するなどの工夫が求められるでしょう。

食材選びに注意する

デザートを選択制ではなく全員統一したメニューで提供する場合、大豆やナッツ類などのアレルギー食材を使用しないことも重要です。とくに小児科病棟で治療食を提供する場合や個別ではなく複数人で一緒に食事をとる場合には、アレルギーをもつ患者さんが疎外感や寂しさを感じないよう、全員同じメニューを提供できると理想です。

主菜や副菜まで完全に同じにするのが難しいケースでも、デザートだけは食材選びにこだわって同じメニューを提供することで、食事の楽しみを全員で共有できるでしょう。

まとめ

今回は、治療食の概要やデザートの役割、注意点について詳しく解説しました。治療食とは病気の患者さんの症状緩和や疾患の進行を防ぐことを目的とした食事です。治療食は一般治療食と特別治療食の2種類に大別できます。一般治療食はバランスよい食事で良好な栄養状態を維持し、治癒力をアップさせること、特別治療食は疾患に合った食事を提供することで悪化を防いだり回復を目指したりすることを目的としています。デザートは治療食には向かないようにも感じますが、ビタミン・ミネラルの補給や食事の楽しみを作るという重要な役割を果たします。提供の際は低糖・低脂肪を心がけることやアレルギー対応の選択制デザートを作ること、デザートを全員統一する際はアレルギーの人でも食べられる食材を選ぶことに注意しましょう。

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