介護食・病院食とは?患者の健康と満足を考えた特別な食事を提供

公開日:2023/11/15   最終更新日:2023/07/14

病院食

この記事では、介護職・病院食の種類と選び方、食事の満足度を考えた特別な食事について解説します。介護食や病院食と聞くと、どのようなものかイメージしにくいですが、嚥下や咀嚼力が低下した高齢者にとって状態に適した食事の選択は日常生活や健康維持に大きな影響を与えます。この記事を参考に適した食形態に出会えますように。

介護食・病院食の重要性

介護食とは、介護を必要とする高齢者が食べやすいよう食材や調理された食事です。加齢に伴う歯牙の欠損で噛む力や、嚥下機能の低下で飲み込む力が衰えてしまうと、必要なエネルギーや生きるために必要な栄養を摂取できず、低栄養になり身体機能の低下も招きます。

そのような状態にならないよう、嚥下状態や咀嚼状態に合わせた食形態の工夫が必要となります。年を重ねると嚥下機能の低下しやすい状態となり、通常食では誤嚥のリスクがあるため、介護食へ移行されるケースがあります。

また、一般的に加齢と共に食欲が低下し、食べる量が減って低栄養になりやすいというが高齢者の特徴です。介護食は、高齢者ひとりひとりが食事を楽しめるように、嚥下状態や咀嚼機能に合わせた食事形態が用意されています。

飲み込む力が落ちると誤嚥が心配ですが、嚥下機能に応じた食形態で美味しく安全に摂取できます。病院食は病院で提供する食事を病院食と呼びます。患者の状態に合わせた食事を提供することで疾患の治癒を図り、健康回復に貢献する目的があります。

医師の指示のもと、食事療法として用いられる場合があり、治療効果を高める大切な役割があります。どのような食形態であっても、食欲増進のために見た目を工夫し、塩分控えめでも出汁を使用して食材の旨味を引き出して満足感を得られるよう取り組む病院が増えました。

介護食・病院食の種類と選び方

介護食には4つのタイプがあります。咀嚼力、嚥下機能に応じて4つのタイプに区別されます。

普段通りの食事が食べられるレベル、通常より柔らかくした食材(木綿豆腐程度)を歯茎で潰せるレベル、さらに食材をやわらかくした食材(絹豆腐程度)を舌と上あごで潰せるレベル、ペースト状のおかゆなど噛まなくてもよいレベルと嚥下状態や口腔内状況に応じて適した介護食を選択しましょう。

介護食の種類は、軟菜食、きざみ食、ミキサー食、ペースト状で元の形を再現したソフト食、液状の流動食があります。軟菜食は、歯茎でも噛めるやわらかさに調理したものです。

歯が欠けている人や胃腸の病気で硬いものが食べられない人に適していますが、歯ごたえや食感が少ないため拒否反応を示す人もいます。きざみ食は、通常の食事を細かく刻んだ食形態です。噛む力や飲み込む力が弱くなった人に適しています。

唾液量が減っている人は口の中の水分が食材に持って行かれるためまとまりにくく、誤嚥につながる可能性があるので気をつけましょう。小さく刻まれた食材が口の中に残りやすく、歯周病や虫歯につながるため、食後の口腔ケアは念入りに行ってください。

水溶き片栗粉でとろみをつけると口の中でまとまりやすくなり、誤嚥防止に最適です。ミキサー食は、食材をミキサーに入れるので食事の見た目や食感が大きく変化し、「何を食べているかのかわらない」と話される方もいます。

ミキサーにかける前の食事を見せイメージしやすくする、写真に撮ってメニューを伝えるなどの工夫で改善する必要があるでしょう。ソフト食は、なめらかな食感で舌の力ですり潰せ、口腔内での散らばりも少ないため、誤嚥予防にも役立ちます。

ミキサー食をゼリー状に固めたゼリー食も嚥下機能が低下した高齢者に選択される食種です。病院食は、一般食(常食、軟食、お粥、流動食)と病気に応じた食事療法を必要とする特別治療食(腎臓食、肝臓食、糖尿病食、すい臓食、塩分制限食など)に大別されます。

医師の指示で疾患に合わせた治療食が入院中は提供されます。基礎疾患による医師から食事指示がある場合は、病院食に準じた食事を準備するとともに、口腔内の状況や嚥下状態に合わせた介護職を考えていくと、個別性に応じた食事が準備できます。

介護食・病院食の完全調理品もある

介護食・病院食の完全調理品も販売されており、高齢者施設では、入居者の健康状態が異なるため、人材不足とあいまって、ひとりひとりに合わせた食事の準備が困難な場合が散見されます。そのようなときに完全調理食を利用する施設が増えました。

完全調理食を扱っている企業も複数あり、施設の要望に合わせ業者を選べるようになっています。近年では、高齢化に伴い、レトルトパウチされた状態で販売されているものをスーパーで購入できるようになり、在宅で過ごしている方でも手軽に購入できます。

まとめ

いかがだったでしょうか。身体機能に応じた食事は、その人らしい生活全般の改善や回復に対する意欲を引き出し生活の質の維持・向上が期待できます。「食べる」ことは生きがいや楽しみの観点からも重要であり、栄養状態の維持・改善は身体機能の維持にもつながり健康寿命の増大や生活の質向上に欠かせないものです。この記事が、介護食・病院食導入を考えている方の参考になれば幸いです。

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