高齢者が食べやすい食事とは?栄養や健康に気を付けたレシピも紹介
高齢になると身体機能が低下するため、食事の好みにも変化がおきます。そのため、食事を作る際は高齢者の好みや食べやすさを意識して調理することが重要です。本記事では、高齢者が食べやすい食事について詳しく紹介します。食べにくいと感じる食事や調理の際のポイントについても合わせて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
高齢者が食べやすいと感じる食事
咀嚼能力が低下し、唾液の分泌量が減った高齢者は、とろみがある物やゼリー状の物、柔らかい物などが食べやすいと感じます。それぞれどのような料理が当てはまるのか例を上げてわかりやすく紹介するので、高齢者の食事でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
とろみがある物
高齢者は水のようにさらさらとした飲み口の物よりも、カレーやシチューのようにとろみがある物の方が食べやすいと感じます。とろみがついていない液状の食べ物は、飲み込む際に気管に入ってしまう恐れがあるため、とろみをつけても美味しく食べられる料理の場合はなるべく片栗粉などでとろみをつけると良いでしょう。
ゼリー状の物
高齢者は、ゼリー状の食べ物も食べやすいと感じます。ゼリー状の食べ物には、ゼリーや水ようかん、プリン、豆腐、茶碗蒸し、煮凝りなどが該当します。なお、ゼリー状の食べ物であっても、食感があるタイプの物はのどに詰まらせ窒息する恐れがあるので要注意です。
柔らかい物
高齢者は、若い人と比べて噛む力が衰えていたり歯が抜けていたりするため、硬い物よりも柔らかい食感の物を食べやすいと感じます。たとえば、ハンバーグやつみれ、プリンなどです。噛む力が衰えている場合、堅い食感の物は自力で食べることが不可能なため、十分に配慮しましょう。
高齢者が食べにくいと感じる食事
次に高齢者が食べにくいと感じる食事の特徴を詳しく紹介します。歯ごたえのある物やむせやすい物、噛み切りにくい物などは食べづらいだけでなく、最悪の場合喉に詰まらせたり、むせる原因となったりするので注意が必要です。
なお、食べにくいと感じる食材はできる限り食べやすい形で提供することが理想で、食べにくいからといって食べさせることを避けていると栄養が偏る原因となります。
歯ごたえのある物
高齢者は噛む力が若い人に比べて衰えているため、歯ごたえのある食べ物は食べにくさを覚えます。固焼きの煎餅や分厚いお肉、未調理のリンゴ、根菜などです。歯ごたえのある食材を料理に使用する際は、良く煮込んで柔らかくする配慮が必要になります。
乾燥している物
高齢者は噛む力が弱く唾液の分泌量が少ないため、乾燥している食べ物も得意ではありません。例えば、パンやビスケットなどが該当します。乾燥している物を料理に取り入れる際は、そのままではなく水分を含ませる調理を行ったり、食事の際に汁物と合わせて食べるようにすると良いでしょう。
むせやすい物
高齢者は、酸味の強い食材も食べにくいと感じます。酢の物や柑橘類、梅干しなどです。酸味が強すぎると食事の際にむせる恐れがあるため注意しましょう。
高齢者が食べやすいと感じる食事を作るポイント
最後に、高齢者が食べやすいと感じる食事を作るポイントをまとめて紹介します。高齢になり咀嚼能力や唾液の分泌量が低下すると一般的な食事では食べづらいと感じるようになります。しかし、食材を細かく刻んだりとろみを付けたりするだけで食べやすさはあげることが可能です。
液状の物にとろみを付ける
高齢者の食事を作る際は、液状の物にとろみを付けることをおすすめします。たとえばカレーやシチュー、中華スープなどです。とろみを付けることで口の中で食材がまとまりやすくなり、液体が気管に入ることを予防できます。
食材は細かく刻む
高齢者の食事を作る際は、一口で口の中に収まるよう、あらかじめ食材を細かく刻むことが大切です。お箸で切り分けられるような硬さの食材であっても、筋力が低下した高齢者には細かくすることが困難な可能性があります。
一口で口の中に収まりきらないと食べこぼしや喉に詰まらせる原因となるため、食材は小さめに刻みましょう。なお、食材は細かく刻んでも薄くスライスしない限り硬さは変わりません。硬い食材は細かく刻むのではなく、煮込んで柔らかくしなければ食べやすさは変わらないので注意しましょう。
美味しそうな見た目にする
老化により若い頃と比べて上手く食事をとることが困難になったとしても、見栄えの悪い料理と美味しそうな料理が並んで入れば、ほとんどの人は美味しそうな見た目の食事に惹かれます。そのため、高齢者の食事を作る際は、食べやすさに配慮するあまり、流動食のような食欲が一切わかない見た目にならないよう十分注意が必要です。
仮に実際食べてみたら美味しい料理だったとしても、食事が上手くとれなくなったことを理由に自分の分だけ酷い見た目の食事を出されたら誰だって良い気分はしないことを忘れてはいけません。
まとめ
本記事では、高齢者が食べやすいと感じる食事について紹介しました。高齢者はとろみのある料理やゼリー状の料理、柔らかい食感の料理を食べやすいと感じ、歯ごたえのある食材や乾燥している物、むせやすい酸味の強い料理などは食べづらいと感じます。高齢者に食事を作る際は、食材を細かく刻んだり液体にとろみを付けたりするなどの工夫を加え、ストレスを感じない食事に配慮しましょう。
高齢者向けに作られた完全調理品であれば手間をかけずに高齢者に最適な食事が提供できるため、自力での対処が困難な際や栄養の偏りを感じる際は、積極的に取り入れていくことをおすすめします。本記事が高齢者の食事で困っている方のお役に立てれば幸いです。