食品ロスはなぜ起こる?理由や改善のための取り組みについて解説!
食品ロスを無くしたいと思うけれど、食品ロスがなぜ起こるのか分からないとお考えではありませんか。そこで本記事ではそんなお考えを払拭すべく、食品ロスとは何か、食品ロスの発生理由や改善策、削減に対する取り組みについて解説します。この記事を最後までお読みいただければ、あなたの食品ロスに対する疑問は劇的に改善することでしょう。
CONTSNTS(目次)
食品ロスとは
日本人の食品ロス発生量は、1人当たり1日約114gとなり、毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てている分量になるといわれています。ここではまず、食品ロスの概要について解説します。
食品ロスの概要
食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことをいいます。日本の食品ロスは年間約523万トン、日本人1人当たりの食品ロスは年間約42㎏ほどに上ります(農林水産省令和3年度推計値)。食品ロスは、地球の環境にとって大きな悪影響を及ぼすため、世界中でさまざまな取り組みがおこなわれています。
事業系食品ロス・家庭系食品ロス
食品ロスは大きく「事業系食品ロス」と「家庭系食品ロス」の2種類の分けられます。「事業系食品ロス」とは、飲食店での食べ残しや、スーパーやコンビニなどの小売店での売れ残りや返品などのことです。一方「家庭系食品ロス」とは、家庭での食べ残しや、購入したにもかかわらず使わなかったり、料理する際の切り過ぎやむき過ぎなどのことをいいます。
食品ロス対策の必要性
食品ロスを放置したままだと、地球環境の悪化や食料危機を招く可能性が高くなります。食品ロスにより発生したごみは、運搬や焼却などにより大量の二酸化炭素を排出し環境負荷を招きます。また人口の観点から見ると、世界人口は2023年時点で約80億人ですが、2050年には約97億人に達するといわれており、人口増加が食料不足に拍車をかけ、貧困を招いてしまいます。
食品ロスはなぜ起こるのか
そもそも食品ロスが起こってしまう構造にはどのような要因があるのでしょうか。そこでここでは、食品ロスが起こる理由について解説します。
需要を超えた過剰生産
農作物は天候の影響を考慮したり、不足なく小売業者の発注に対応したりするために、過剰生産の傾向が強くなりがちです。需要を超えた過剰生産は、在庫を招き廃棄の原因となります。
高い品質基準
日本の食品に対する品質基準は大変高いものが求められています。サイズ・形状・重さなどの見栄えが重要視され、その基準を満たさない食品は廃棄されます。利益が優先されるため、加工して再利用するより、低コストで済む廃棄が選ばれてしまいます。
大量陳列からくる売れ残り
スーパーやコンビニなどの小売店では、欠品による消費者離れを回避するため、豊富な商品陳列を常態化しています。必要以上の商品陳列は売れ残りを招き、それらは賞味期限にしたがって廃棄されてしまいます。
食べ残しによる廃棄
家庭や飲食店では、未調理食品の期限切れや食べ残し、買い過ぎや作り過ぎなどによって、多くの食品が廃棄されています。また、調理する際の食品の切り過ぎやむき過ぎによって、食べられる箇所の過剰除去がおこなわれていることも問題となっています。
食品ロスの改善のための取り組み
地球環境を守るために食品ロス対策は必須事項です。ここでは、食品ロス改善に向けたさまざまな取り組みについて解説します。
賞味期限表示の見直し
家庭では賞味期限と消費期限が意識されます。賞味期限とは、おいしく食べられる期限、消費期限とは、安全に食べられる期限のことです。昨今では、賞味期限の表示を見直す食品メーカーを増えており「年月日」表示から「年月」表示に変更されています。賞味期限表示の見直しは、食品ロス削減に繋がります。
必要な分だけ購入する
食品ロスに対する家庭での取り組みとして、必要な食品のみを購入することは有効です。冷蔵庫の残量をこまめにチェックし、無計画なまとめ買いを防止することで、食品ロス削減に貢献できます。
フードシェアリングを利用する
フードシェアリングとは、余った食品を必要とする人にシェアする活動のことです。フードシェアリングのマッチングアプリなどを使って、飲食店・小売店・生産者と個人の繋がりが実現されています。
フードバンクで食品を寄付する
フードバンクとは、品質や味に問題がないにもかかわらず、破損や印字ミスなどで廃棄予定の食品をフードバンク団体などに寄付することです。フードバンク団体は、集まった食品を福祉施設や生活困窮者世帯に無償提供します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は食品ロスが起こる理由や改善のための取り組みについて解説しました。食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。食品ロスは、過剰生産・高い品質基準・大量陳列・食べ残しなどの理由で発生します。食品ロスを放置すると、地球環境の悪化や食料危機を招く可能性が高まります。食品ロス改善の取り組みとして、賞味期限表示の見直し・必要分だけの購入・フードシェアリングやフードバンクの利用などが有効です。食品ロスは、世界中で避けては通れない問題です。食品ロス削減のためには、業界や企業の努力だけではなく、食に関わる一人ひとりの意識改革が必要です。個人の力は微力であっても、できることから取り組む姿勢が大切といえるでしょう。