介護の現場でよくある「食べこぼし」!対策としてどんなことができる?
介護現場では、食べこぼしはよくあることですが、食べこぼしに意外な原因が潜んでいる場合もあります。また、介護での食事は忙しいため、なるべく食べこぼしがないよう工夫しながら進める必要があります。本記事では、介護の現場でよくある食べこぼしの対策としてどのようなことができるのか解説するのでぜひ参考にしてください。
なぜ食べこぼしをしてしまうのか
自宅介護でも介護の現場でも、食べこぼしは大きなストレスになります。ただ、ストレスは食べさせる側だけが感じる問題ではありません。
食事をする高齢者も相手に負担を感じさせて申し訳ない、という気持ちを感じている場合があるでしょう。高齢者がなぜ食べこぼしをしてしまうでしょうか。
身体機能の低下
高齢者は、年齢と共にだんだんと身体機能や嚥下機能が衰えていきます。また、視力低下に伴い食べこぼしをしやすくなる場合もあるでしょう。
中には、脳梗塞で麻痺があることも隠れている場合があり注意が必要です。さらに、口腔筋力の低下や入れ歯をはめていることが原因の場合もあります。
姿勢の悪さ
食事の姿勢が悪い場合、食べ物を口に運ぶまでにこぼしたりする場合があるでしょう。また、前かがみの姿勢から口からこぼす場合もあります。
姿勢が悪い原因で食べこぼしをする場合は、少しの工夫で改善されるためよく観察してみましょう。
食器があっていない
使いづらい食器は、食べこぼしをしてしまう原因となります。また、テーブルやいすがしっかり合っているか確認しましょう。
食べこぼしは病気のサイン?注意深く観察しよう
高齢に伴う食べこぼしは、誰でも経験することです。少々の食べこぼしは仕方ないことだといえますが、中には注意が必要な場合もあります。
食べこぼしが病気のサインとなる場合、どのような状況なのか紹介します。
よだれが一緒に出ている場合
食べこぼしをしてしまう場合、よだれが一緒に溢れる場合があります。たとえば、パーキンソン病の場合は手だけではなくのどの動きも悪くなり飲み込む動きが少なくなるでしょう。
このため、よだれが食べ物と一緒に溢れる場合があります。
認知症による食べこぼし
認知症による食べこぼしの場合、30分以上食べ物を口に入れたままの高齢者もいます。食べ物を口に入れたままだと、誤嚥を引き起こす可能性が高く注意が必要です。
また、周囲が気付かないうちに肺炎を引き起こしているケースも珍しくありません。食べこぼしをしてしまう場合、単純に高齢だからと決めつけず普段から注意深く観察し原因を探ることが大切です。
【対策まとめ】食べこぼし対策としてどんなことができる?
食べこぼしが改善されると、介護する側もされる側も安心して食事ができるでしょう。食べこぼし対策として、どんなことができるのか解説するのでぜひ、参考にしてください。
姿勢の改善
イスに座って食事をする場合、クッションを使いよい姿勢を保てるようにしましょう。
また、脳梗塞が原因で麻痺がある方はイスに座ると傾く傾向があります。この場合も、クッションを使いうまく食事ができるように補助しましょう。
中には、車椅子に座って食事をされる高齢者もいます。車いすで食事をする場合は、大きさが高齢者に合っているか確認しましょう。
大きさが合わないと、転倒の危険性もあり危険です。ケアマネージャーと相談を行い、適切な車椅子を選ぶことをおすすめします。
口腔内の筋力を鍛える
口腔内の筋力低下や、入れ歯が原因で食べこぼしをしてしまう場合は口腔内の筋力を鍛えましょう。
たとえば、口腔内の筋力トレーニングとして、ベロ出し体操があります。ベロ出し体操は、舌を出して上下左右に動かすことで、口の筋肉や舌の柔軟性が鍛えられる効果があります。
また、入れ歯が原因で食べこぼしにつながる場合もあります。こうした場合は、歯科などに相談の上、入れ歯が本人に合っているか確認することで改善される場合もあります。
食器や食べ物の形状を確認する
いつも同じ食器を使用していても、一度確認することをおすすめします。手指が不自由な方でも、使いやすいように開発された食器も販売されています。
また、意外に子ども向けの食器が合う高齢者もおり、100均でも簡単に購入できるメリットがあります。デザインやカラーが豊富で、手に入りやすいことから気分転換に変えてみるのもおすすめです。
ほかにも、イスとテーブルの高さを調整することをおすすめします。このように、食事環境を整えることで、簡単に食べこぼしを防げる場合もあるでしょう。
そして、食べ物の形状が合わないことで、食べこぼしにつながる場合もあります。こうした場合は、完全調理品を取り入れることで簡単に食べ物の形状を変えて食べさせることが可能です。
まとめ
本記事では、介護の現場でよくある「食べこぼし」による対策としてどんなことができるかを解説しました。食べこぼしは、介護する側もされる側も、ストレスを感じるといえます。
ただ、ほんの少しのことで改善される場合もあるため、食事の時は注意深く観察することもおすすめです。本記事が、食べこぼしで悩んでいる方の参考になれば幸いです。