糖尿病患者の食事に取り入れてはいけないものとは?注意点をチェックしよう!
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが正常に働かず、血液中にブドウ糖(糖/血糖)が増えて高血糖値の状態が続く病気です。よく「糖尿病を患ったら、食事に気をつけなくてはいけない」といわれますが、糖尿病の食事には注意点があります。そこで今回は、糖尿病になった時の食事のとり方や注意点について詳しく紹介します。
糖尿病の原因は糖質や炭水化物の過剰摂取
糖尿病の原因で多いのが、糖質や炭水化物のとり過ぎです。“大食いの人や暴飲暴食の多い人が、糖尿病になる可能性が高い”と思われがちですが、実際は少食でも乱れた食生活が続くと、血中の血糖値が増えます。
たとえば、カップラーメンと一緒に菓子パンを組み合わせたり、パスタとピザに、砂糖とミルクたっぷりのコーヒーを合わせたりした場合は要注意です。インスリンの分泌をサポートし、血液中の血糖値を下げるためにも、普段の食事を見直すことはとても大切なのです。
糖尿病患者がなるべく避けたい食材
糖尿病になった時は、NGとされている食材をできるだけ避け、血糖値を下げる効果が高い食べ物を組み合わせることが大切です。糖尿病の食事で避けたいものとして、普段の食事で意外と多く使う野菜(ジャガイモやサツマイモ、カボチャなど)が挙げられます。
フライドポテトやてんぷらなど油で揚げた調理方法や、菓子パンなどの具として使われているケースも多く、気づかないうちに血糖値を上げる食べ物を選んでいる可能性が高いです。
ジャガイモやサツマイモなどのデンプンが多い野菜には、注意するようにしましょう。同じ野菜でも、葉野菜やきのこに含まれる食物繊維は、積極的に食べたい食材です。
これらの野菜は腸内に留まる時間が長く、糖が体内へ吸収するのを阻止する働きがあり、血糖値が穏やかに上がるので糖尿病におすすめの食材ということができます。
糖尿病患者が食事で気をつけたいポイント
それでは、糖尿病の人が食事で気をつけたいポイントについてお伝えします。糖尿病の方は普段の食事に気をつけることで、血糖値をゆっくり上昇させるよう工夫ができるので、普段の食事や調理方法を工夫した食生活を取り入れていきましょう。
まず、コンビニ食は血糖値の上がりやすい献立内容が多く、毎日食べ続けることはおすすめできません。忙しいことを理由に、簡単に食べられる丼ものやパスタ、コンビニ弁当などをメインに食べている人は、食生活を見直したほうがよいでしょう。一方で糖尿病の食事療法は、すべての人が同じ献立メニューとは限りません。
まず、注意すべき点は適正エネルギーの範囲を超えないことです。適正エネルギーは個人によって違うので、血糖値の上昇を抑えたり、肥満や合併症を引き起こしたりしないためにも、自分の1日の食事量を把握しておきましょう。
目標体重は“目標体重(kg)=身長(m)✕身長(m)✕22(65歳以上は22~25)”となり、適正エネルギーは“適正エネルギー(kcal)=目標体重(kg)✕身体活動量25~30kcal”という式で求めることができます。ただし、医師に1日の摂取カロリーを提示されている人は、その指示に従うようにしてください。
次は、間食を控えることです。普段、乱れた食事をしている人が栄養バランスに優れた食事に変更すると、途中で小腹が空いて、ついつい間食をしてしまう人も多いでしょう。
たとえば、砂糖入りのコーヒーや紅茶を飲んだり、デニッシュパンやスナック菓子を食べたりすることが考えられます。糖質の多いおやつを食べたり、糖分の高い飲料を飲んだりすると、血中の血糖値が急激に高まり危険です。
どうしても小腹が空いたときは、ヨーグルトや生のフルーツなどがおすすめです。また食事をする際、ゆっくりよく噛むことで満腹感が高まり、小腹の空き具合も減ります。
3つ目はプラス副菜でバランスを考えることです。糖尿病の方の食事で大切なポイントは、主食と主菜にプラス副菜2品を組み合わせることです。日本では昔から一汁三菜をメインとした献立で食事をしましたが、糖尿病の食事も栄養バランスに優れた和食メニューがぴったり。
三菜(おかず)は、肉や魚の主菜と野菜やきのこなどで作る2品の副菜を取り入れることで、身体にエネルギーを与え全身の調子を整えてくれます。最後は食事を絶対に抜かないことです。糖尿病の方は、1日の決まった時間帯に3食必ず食べるようにしましょう。
そして、できれば食事の間隔は5~6時間空けるようにしましょう。暴飲暴食の予防はもちろん、インスリンが分泌される膵臓へのダメージも抑えられます。また、就寝3時間前までに夕食は済ませておき、肥満につながらない食生活をおくることが必要です。
完全調理品を使って簡単に健康的な食生活ができる!
糖尿病の食事は、選ぶ食材や調理方法を見直すだけで、血糖値の上昇を抑えられます。間違った食べ方は、糖尿病の悪化だけではなく、高血圧や脳梗塞など、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
糖尿病の方がいる高齢者施設などで、糖尿病に適した食事の提供に困っている場合は、調理済み食材サービスを利用することもおすすめです。スタッフの負担や悩みの解消につながるので、検討してみることをおすすめします。
ここまで、糖尿病の方の食事について“糖尿病の原因は糖質や炭水化物の過剰摂取”“糖尿病患者がなるべく避けたい食材”“糖尿病患者が食事で気をつけたいポイント”“完全調理品を使って簡単に健康的な食生活ができる!”といった観点から解説しました。糖尿病の方も、食事の内容に気をつけることで血糖値の上昇を防ぎ、より健康に過ごすことができます。ぜひ上記の情報を参考にしてみてください。